木更津のピアノ弾き語りシンガーソングライター松本佳奈の、波瀾万丈な日常。

海とあさりとブルーベリーの町、千葉県木更津市のご当地ゆるキャラ目指してます。



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東北の旅2014夏 4日目 田野畑村 :: 2014/08/13(Wed)

【東北の旅2014夏 4日目 田野畑村】

こんばんは、松本佳奈です。

三陸歌声喫茶キャラバン、最終日は田野畑村ハックの家!!
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だいぶ北上しました。


<ハックの家とは?>
障がいを持つ人たちに障壁のない場を提供したいと、平成8年4月、福祉作業所ハックの家として開所しました。活動10周年を機にNPO法人となり、花咲き織りや陶芸作品の製作、水産加工作業の受託、パン工房整備による食パンの製造販売などに取り組んでいます。障がい者に働く喜びと生きがいを提供し、社会移行と自立を促進します。

あらゆる障害をもった人たちが、住みなれた街で安心して普通の暮らしができるように支援をして、みなで支えあう街づくりを目指しています。
仕事も遊びも住む場所も…大好きな街で、自分らしく!!
そのために…
~24時間365日、必要な時に必要な支援を!~
・ 重い障害があっても地域の人と共に働く事ができる場の提供
・ 生まれた街で暮らし続けるためのサービスと住いの提供
・ 幼少期からの発達を支える療育の場の提供
ハックの家ホームページより

そう、このハックの家の「田野畑村ハックるパンの歌」を、今回の旅をご一緒しているギタリスト出淵晴彦さんが作曲し、私も歌わせていただいていたのですが、これまでなかなか田野畑まで来ることができず、今回が初・ハックの家となりました!わーい!

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ここでは事前にリクエストをいただていたので、一人一曲ずつ歌っていきます。

<田野畑村ハックの家 リクエスト曲>
男の火祭り
心の旅
Let It Go
POPSTAR
麦畑
ドラえもんの歌
ふれあい
川の流れのように
帰ってこいよ
好きになった人
散歩(オカリナ演奏)

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「アナと雪の女王」のテーマではまさかの
「松たか子さんバージョンじゃなくて、May.Jさんバージョンでお願いします」との要望をいただき、演奏陣が誰一人としてMay.Jさんバージョンに対応できず撃沈しましたが(笑)


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終始和やかな雰囲気。
ちょうどハックを訪れていた大阪教育大学の学生さんたちも一緒に。

「松本佳奈さんのオリジナル曲も聴きたい!」との嬉しいリクエストをいただき、数曲歌っちゃいました。
1、ばかみたい
2、パラダイムシフト
3、ハリネズミ
4、Strings
ありがとうございました♪


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お昼ごはんは皆でカレー!
スプーンがないので箸で。
意外と箸でも食べれることが判明。

ご飯の時間が終わると、みんな帰っていきました。
歌声喫茶キャラバン隊と大阪教育大学の学生さんたちだけが残り、静かな食休み。

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その後、学生のゆうあちゃんがギター弾き語りを披露してくれました!
赤崎さんによるベース講座も急遽開校…。のんびりした時間が流れます。

ちょっと昼寝もしました_(:3 」∠)_


そして夕方、田野畑村の沿岸部、島越(しまのこし)から、工藤フサコさんという方がハックを訪れました。私はハルさん(出淵晴彦さん)から、「島越という地域に伝わる歌(校歌のようなもの)の譜面や録音を震災で失ってしまった。今数人しか歌える人がいない状態で、このままでは消えてしまう。どうにか保存できないだろうか?という相談を現地の方から受けている…ハックの家で歌声喫茶をした午後、島越の方がハックに来ることになっている…という話は聞いていたものの、具体的に何をしたらいいのか曖昧なままこの時間を迎えていました。

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フサコさんはとても物腰が柔らかく、声が美しい方でした。
お話される言葉ひとつひとつが丁寧で、明瞭。

島越に伝わる三つの曲の歌詞が配られ、その一つひとつをフサコさんに歌っていただき、演奏隊が音を取っていくことに。


島越小学校愛唱歌1 作詞・作曲 佐々木サキ先生

緑の波が寄せていた
島越港の浜辺には
静かに影が寄せていた
みんなで泳ぐそのたびに

あなたもわたしも先生も
泳いだあとのひとときは
小石まじりの砂浜に
楽しい夢を話したね

清らに済んだ秋空に
赤いトンボが飛ぶころは
みんなで肩を組みながら
岸の浜辺よ さようなら




にこにこと笑いながら話していたフサコさんでしたが、歌い始めた途端、涙で声を詰まらせました。その時私は、「これは、何度も歌わせてはいけない…」と思いました…。ただ伴奏をつけるのとは違って、メロディの音を取っていくのは私にとって難しい…でもその「何度も歌わせてはいけない…」という直感から、なるべく一度で正確に聞き取れるように気をつけました。

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この旅で何度も痛感していること。
それは、歌は記憶を呼び起こす、ということ。その力の強さ。
フサコさんにとってこの曲を歌うことはまだ辛すぎるんだ…ということをひしひしと感じたのでした。

取った音を元に私が試しに歌ってみて、「なんか違う…」という箇所を直して行きます。
そしてもう一度私が歌います。
「これで合っていますか?」
「はい(にっこり)」
フサコさん、ほんとうに嬉しそうに笑うんです。

そんな感じで二曲目も音を取り、三曲目。


追憶の村(浜茄子の歌)
  
浜茄子の咲く丘に  浜茄子の風が鳴り
青い海  青い空  忘れじの 田野畑よ
  
オマルペの 谷ゆけば  島の越 潮鳴りの
コイココベ アイヌらが  追われたる さま浮かぶ

平井賀の 崖ゆけば  霧深き  ハイペ浜
焚き火たき 歌いたる 夏の日の 思い出よ

月の夜の 平井賀の  月青き 波の色
語らいし 彼の人に 憧れし 明戸浜

そそり立つ 断崖に 石の浜 しずもりて
人恋し 丘の辺の  しじまなる 机村

孟蘭盆の 月淡く 漁火に 太鼓の音
輪踊りの 手拍子や 流れゆく 森の夜



これはテープが残っていました。聴いてみると、ピアノ一本の伴奏。テープがすり減って音が半音近くずれていました。なんとか復元!歌詞は6番までなのですが、復興の願いを込めて7番を作ってほしい…というのがフサコさんのもう一つの希望でした。

ひとまず三曲分の聞き取りを終えてホッ。

その後は、フサコさんによる大学生向けの「被災体験の語り」が行われました。
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島越が、美しい砂浜にたくさんの観光客が訪れる場所だったということ、四季折々の海産物が美味しく、お祭りでは地域が一丸となって盛り上がっていたこと。子供は地域の子供として大切に、お年寄りは地域のお年寄りとして大切にされていたこと。
駅で切符を売る仕事を週に二回していたフサコさんは、訪れた観光客が船で島を巡って帰って来た時の「あんなに美しい風景は初めてです!」という言葉、駅の階段から「また来ます」と手を振る姿が忘れられないそうです。

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2011年3月11日、そのすべてが失われてしまいました。

フサコさんは避難の途中、杖をついたおばあさんを助けようとその手を掴んだ瞬間、津波に飲まれてしまいました。息を止めて水中をぐるぐると回り、もう限界…と思った瞬間、スーッと水が引いたそうです。それと同時に、浮いていた瓦礫に押し潰されそうになり、助けて!と叫んでいたところを町の方に救助されます。

救助されてからも寒さで震えが止まらず。
一軒だけ残された家の二階に15名ほどの人と避難し、寒さをしのぎます。
そうしているうちに消防が到着。
避難所まで600mの道のりを歩く途中、津波に飲まれる瞬間手を握ったおばあさんが亡くなっているのを見つけたそうです。雪がちらつき、おばあさんの頬に積もり始めていたけれど、どうすることもできなかった…と。

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避難所での生活が続きます。島越には全国からの救援物資が次々と届き、おかず・ご飯・汁物…と、「普通の」食事ができたそうです。

二ヶ月後、仮設住宅に移ることになりました。
仮設住宅には洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ…その日から生活できるすべてが支援によって揃っていて、そのことをフサコさんは繰り返し「有難いです、全国の皆様に感謝します」と仰っていました。

しかしそれからフサコさんは心の病に悩みます。
夜になると、亡くなった方の顔が蛍光灯に浮かび、眠れなくなってしまう…食欲も次第になくなり、体重もガクっと減ってしまった。どうしたらいいのかわからない。

震災の前日、キャッチボールをしていた父子を見て、その子のあまりのコントロールの上手さに「あら、イチローさんだね」と声をかけたら、お父さんがすかさず「ジローですよ」と言って、皆で笑った。あのお父さんも亡くなってしまった。避難所で息子さんが一人キャッチボールしているのを見かけて、どんなにかお父さんはあの子の成長を見届けたかっただろうか…どんなにあの子はお父さんに成長を見てほしかっただろうかと思った…。そのお父さんの顔が浮かんでくる。

そしてどうしてあの時、おばあさんの手を離してしまったんだろう…いつ離してしまったんだろう…。おばあさんの顔が浮かんでくる。悔やむ日々が続きます。

そこでフサコさんは、心のケアのために派遣されたお医者さんに電話します。そのお医者さんは一輪のバラの花にメッセージを添えて、各家に届けていたそうです。「なんでも話して下さい」と。

その先生が言った言葉…「心がまぁるい容れ物のようなものだとしたら、今あなたの心は津波のことでいっぱいになっています。とても苦しい。でも時間が経つとだんだん隙間が空いてきます。別のことを考えられるようになってきます。時間がかかります。二年はかかるでしょうね。」
そしておばあさんのことについては、「おばあさんはあなたが手を取った瞬間、一瞬でも安らいだはずです。嬉しかったはずです。逆の立場で考えてみて下さい」と。

そうして今、少しずつ、フサコさんの心には隙間が生まれてきたそうです。

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「今はただただ、生きていることに感謝しています。全国からの支援に感謝しています。すべては生きてこそです。生きていたから今日こうして皆さんに出会えました。私に今できることは何だろうと考えて、今年の元旦から一日10円募金を始めたんですよ…」

フサコさん、時には涙しながら、美しい声で、絞り出すように話して下さいました。


ものすごく大切な時間でした。

最後にハルさんが、フサコさんの希望であった浜茄子の歌の7番の歌詞を書き上げ、私が歌いました。


ウミネコが追いかける  飛沫舞う船影
かぐわしき浜茄子が  君を待つ島越



「…夢が叶いました」
そう言ってフサコさんはにっこり笑いました。


歌声喫茶最終日。
フサコさんとの出会い、島越の歌との出会いは、私自身にとっても非常に大きなものとなりました。

10月25日に岩手内陸の奥州市水沢で、26日には北上でライブが決まっていて、その翌週11月2日は陸前高田で開催されるツール・ド・三陸に遊びに行く予定…。27日から数日空くので、その間にまた田野畑へ行き、島越の歌を歌う機会を作りましょう!という話も出たりしたので、決まったらお知らせしますね。

そんな田野畑村ハックの家でした!
最後まで読んで下さりありがとうございます+。:.゚ヽ(´∀`。)ノ゚.:。+゚
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こんにちわ

田野畑村。
岩手でも内陸の最も南に住む私にとって一度も訪れた事の
無い土地です。岩手は広く特に北の沿岸部は場所と地名が
一致しないというのが恥ずかしながら私の現実です。

ハックの家での出来事。
フサコさんの歌を一度聞いただけで楽譜に残す場面に是非
立ち会ってみたかった。
絶対音感ということだけでそのような事が可能なのか素人
には知るよしもありません。
フサコさんにとっても松本さんに会うことが出来て本当に
嬉しかったでしょうね。

私は今回、松本佳奈さんというアーティストをあまり知ら
ずに陸前高田に会いに行きました。それは歌を聞きたい、
という以上にどんな方なのだろうか、お会いしてみたい。
という感情が強くわいたからでした。私は他人と比べて
敏感な部分があり、生きて行く上でそれが邪魔になる事が
ありますが、優れている事に早く気付く事もあります。

今回出会ったアーティストは音楽以外にも絵や文章を書く
事にも才能をお持ちで、さらに人間として一番大切な優し
さに溢れ、その思いを実行してしまう強さを併せ持つ方の
ようです。

松本佳奈さんのファンになりました。




  1. 2014/08/13(Wed) 07:00:35 |
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  3. かずよし #-
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